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【No.1028】私が見た殺人犯…6月7日

ある物の管理業務関係で用事がいくつかあって、それでもせっかくの梅雨晴れなので洗濯を大量にして、図書館でおはなし会用のかみしばいも探して、朝顔の苗を買ってきてプランターに植えて、はやツルのための竿までセットして……。
ずいぶん働いたなあ、と満足ある日。けど、本を読んだり、きれいなものにはあまり触れられなかったなあ、と残念な日。

2回目の外出の帰り、踏切を渡ろうとしたら、カンカンと警報が鳴り始めた。
すると、向こうから歩いてくる人がぱっと目に入ってきた。
長身でがっしりした体つきの男性。スポーツ刈りに、レイバン系の金のフレームのサングラスをしていた。うっすら黒の縦縞の入ったグレーのスーツ。どう見てもカタギではなく、かといってマタギであろうはずもなく(いや、案外、マタギや木こりの息子なのかも)、引退した野球選手にも見えなくはない。

カンカンと鳴っているのに、その男はどこからともなく軍手を取り出して、両手に通した。
そして、やおら腰をかがめると、本人の大きなこぶしの2倍ぐらいはあるかと思われる大きな石を、線路の間から拾い出したのだ。
――拾い上げた瞬間、目が合ってしまった。
それでもカンカン鳴っているから、足早に渡るしかない。すれ違うとき、おもむろに石をカバンにしまっている様子が見て取れた。
「急いだ方がいいですよ」――もちろん、そんな声はかけない。

何、あれ……?

瞬時に思いついたのは、その男がマンションの一室で、男か女なのかは分からないが、ある人物の後頭部を、その石で思いっきり殴りつける場面。殴ったあとに、軍手をはめたままの手で相手の首を締める。
金のもつれか、恋のもつれか、あるいはプライドを傷つけられた恨みとか……。
「ああ、踏切に隔てられて良かった」と思う。
後ろから追いかけられ、石で殴られることはよもやあるまいな……と、少し斜め後ろを振り向いて確認してしまった。そのあと、自転車でさーっと帰ってきた。

ミステリーの一場面のようだと、目の前の世界がぐらつくような奇妙な感覚がしばらくあったけれども、別の事情によるオチがあるという可能性も考えた。

「あなた、そんなに漬け物が食べたかったら、帰りに、この桶に合う適当な大きさの石を見つけてきてちょうだい」と、妻か情婦(「いろ」と読んでくださいね)に言われているというもの。
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皮袋に入れてアレイにするとか、石を詰めたバッグを背負ってランニングするとか、スクワットするとか、急に石庭作りに目覚めたとか。そういうのをお店で買ったりすることに資本主義社会の矛盾を感じるとか。

いらっしゃいまし

>SlowBirdさん
イメージ豊かですね。
そうか、トレーニング系と作庭ね。そいつは思いつきませんでした。漬け物石より自然ですね。

あるいは、ドライブにでも出かけて、どこかの川中めがけて、思いっきり投げてみたいとか……。
「やくざ→殺し」は貧困だったかな。

石というと、つげ義春の石を売る人の話が真っ先に浮かびますから(笑) トレーニングの話は、池澤夏樹「すばらしい新世界」でしたか。そーゆーレベルなわけです。

レベル高いっていうことでは?

やくざが石で後頭部を殴りつけるって、それ、三面記事や週刊誌ネタかと、自分の想像レベルの低さにちょいとヘコみました。
プロフィール

中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
こちらに引き継ぎます。

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