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【No.1082】心に荒野をさ迷わせて(1)…10月4日


6月に出たコ―マック・マッカーシー『ザ・ロード』をようやく入手して少しずつ読み進めている。読み進めていると、やはり『血と暴力の国』も併せ読む方がいい気がして、先ほど注文しておいた。こちらの方は、「ノーカントリー」という題でコーエン兄弟が映画化して、2007年度のアカデミー各賞に顕彰されたことを今さら知る。最近、まったく映画のチェックができていないのだ。
「コーエン兄弟っていいんだよね」と思って、映画のデータベース・サイトで調べていたら、私って「ミラーズ・クロッシング」「バートン・フィンク」「ファーゴ」の3本しか観ていないじゃん。それぞれ1990、1991、1996年の制作であった。どれも劇場で観ている。さがせばパンフレットもあるはず。
――子どもを持ってから、一番削ったのは映画を観る時間かもしれない。限られた自由時間は、やはり本ということになる。

『ザ・ロード』は、買おうとしたら初版と5刷のものが平積みになっていて、しばらくどちらにするか悩んだ。帯が痛んでいなかったということもあって、結局5刷の方にした。7月初旬に読売新聞に出た小野正嗣氏の書評が帯になっている。本の紹介としては助かる内容だ。だが、これは余談だが、「傑作」という表現は、プロは使うべきではないのではないかと思う。どう傑作なのかということをしっかり書き抜いたそのあとで、使うことが初めて許されるのではないだろうか。
同様にして、「とにかく」という表現でまとめに入る文章は嫌いだ(小野氏が「とにかく」を使っているわけではないけれども……)。
海外文学で5刷というのは、かなり当たったということになるのだろう。印象として、95パーセントぐらいの海外文学は初版刷りっ放しで在庫切れと共に姿を消して行く。在庫でとっておいてもらえれば御の字で、しばらく様子を見たら断裁処分のものも少なくないだろう。在庫は課税対象らしいので……。
それにしても、『ザ・ロード』がハードカバー、『血と暴力の国』が扶桑社文庫、これでビデオでは既に観た『すべての美しい馬』を買うとなるとハヤカワepi文庫だ。体裁が違うと、本棚に収める場所を見つけにくい。

米国でかなり売れた評判作であるから(200万部近く出ているらしい)、6月に出たときに、すぐに手に入れようとも思ったのだが、正直「ちょっと怖い」と感じた。終末的な世界をひたすら歩く父と子の話だというからだ。
子を持つまで、私には弱味と言えるものがないように感じていたのだが、目下のところ唯一の弱味は「男の子」で、いかにも男の子が苦しむ場面が出てくる本だということが分かるものを読みたくはなかった。
読み出してみると、やはりその感覚は大事にすべきだったかと悔いる場面がいくつも出てくる。それもあって、そして文体のせいもあって、夏目漱石を読むようなペース――つまり、日に20ページ程度ぐらいしか読めない。
この先、決定的な破滅が出てくると分かっているのならば読みたくない気もしている。その辺が気になったので、先に訳者・黒原敏行氏の「あとがき」をつらーっと表面読みしていたら、作者のマッカーシーは年を取ってから子を設けたというようなことが書いてあり、とりあえずは安心した。それならば、ここに出てくる子がひどい目に遭っても、何か希望につながる終わりを用意してくれているのではないか、と。
それを信じて、しばらく読み進める気になった。

上に海外での心臓移植を希望する男の子の募金情報を掲げている。
これも、チラシの写真の笑顔を見てしまったとき、まさに「男の子」という弱味を突かれてしまった。
こういう記事を掲げていると、「安穏と暮らしているどこかの奥さんが、ええかっこしいでやってるわ」と受け止めてしまう人もいそうだ(もっとも、続けてこのweblogを読んでいないと、書いている人間がどういう者かは分かりはしないだろうが)。
弱味を突かれたから協力したいという気もあるが、なぜこういう社会的な活動に興味を持つかということには他にもわけがある。
<この項つづく>
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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
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