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【No.1065】島に伝わる物語の絵本…8月26日


おはなし会をする人は、そろそろ「敬老の日」を意識した本探しに取り組む頃でしょうか。
おはなし会をする人というのは、たいてい「くそばばあ」なので(あっ、言っちゃった!)、わざわざ「おばあ」の絵本を出してくる必要もないわけだが……。

大好きな司修氏、建築の安藤忠雄氏のようにアカデミックな勉強をしていない大家の新作である。司氏に昔ふられたことがあるなあ(笑)。そのとき、「人が書いた話に絵をつける仕事はこれからしないから」と理由を言われたような記憶が……。
それはさておき、これは司氏が奄美大島に伝わる昔ばなしを元に起こしたもの。参考にした昭和中期の本は、当時81歳の刀自(「とじ」と読む。あと40年したら、私をそう呼んでくれ)が語ったものを収めたようだ。
旅の若い侍に、年取った女が馳走をしようとするのだが、陰に隠れて、歯くそ、目やに、耳くそを入れて料理を作るという話。司氏が調べると、類話が『古事記』『日本書紀』にあったそうな。
あとがきに、「奄美の不便な村には、いまでも万葉のころの言葉遣いが残っているといわれます」と書かれているが、いや、これは、ちょっと誤解を生む書き方のような気がしないでもない。けれども、奄美と言っても奄美大島だけではなく、いくつかの群島もあるから、そういうこともあろうか。

他にも、あとがきには、「人間の命を支える食物が、臭い、汚いとされ、見た目も悪い場所から生まれてきたということを、人間が忘れてはならない、そのために、穀物の起源が神話に取りいれられ、長く、広く伝えられてきたのでしょう」と解説があり、食育という切り口でも使える絵本。
対象は、小学中学年以上というところですね。

佐野洋子氏もそうだが、画家って、年を重ねると、ミロやマティスのように絵柄がすっきりシンプル、子どもが描く線のようになってくるなあと思った。でも、これ、原画はペンでなくエッチングかなあ。世俗から離脱する軽みに達するということなのだろう。

その「世俗から離脱する軽み」という意味で共通するのが右に並べた本。
『島の名前』は、『魚の名前』で「ほう」とため息をつかされた中村庸夫氏の労作。こちらは絵本ではなく、写真中心のぎっしりとしたガイド本。一葉ずつ、どこか日本的情緒が宿る海に浮かぶ島々の写真に、やはり「ほう」です。そして、巻末の著者近影の穏やかなお顔にも「ほう」。お近くに、すりすりっとすり寄って行きたいような素敵な方ですね。
目やに、耳くそ入りの料理はお出しできませぬ。
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2004年から2011年まで書いてきた
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