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【No.1056】脳のない男…8月1日

去年出た本で、読みたいなと思いながら忙しくて見送ってしまったものが何冊かあるので、少しずつ読んでいこう。そういうことで、まず、薄くて読みやすいこの本から入った。

昨年4月に亡くなってしまったので、今年、どこかの中学受験の問題にでもならないかと思った…という話は以前書いた気もするが、そういう話は聞かない。
カート・ヴォネガット好きの現代国語担当教諭なんて案外いそうなものだけれども、問題文が作れなくてはならないし、複数教諭の合議ではかられるだろうし、第一、そういう場で翻訳ものが取り上げられることはあまりなく、ましてやSFが取り上げられることはめったにない。でも、息子の学力にまるで関係ない麻布中学かどこかの過去問を立ち読みしていたら、取り上げられていたような記憶がある。
「うーん、さすが、趣味を貫き通している」と感心したが、「そういうのを出してみちゃうチャレンジャーなところを見てね」という乗りが、保護者全般の受けとしてどうなのか。
受験問題はどうでも良い話だが、ヴォネガット逝去は、それだけ話題性のあることなのではないかと思われ、この類いまれなる知性の損失の大きさを、読んでみて改めて痛感する。

最も有害なドラッグが「化石燃料」――この指摘が痛烈な一撃だ。
いやあ、すごい。面白い。ずばり、ぴたりだ!とうなってしまった。

ところで、「国のない男」はこのエッセイの途中に出てくる表現なのだけれども、飲みながら軽いおしゃべりとして楽しむのに良いネタとして、「○○のない男」に、いろいろな字を当て込むというもの。

「国のない男」はいかにもSFらしい。同じぐらいSF的と思えるのは「脳のない男」。「能」じやなくて「脳」ね。
これが「首のない男」だと完全犯罪のミステリーかスプラッター・ホラーになる。「胴のない男」でも「指紋のない男」でも……。
「欲のない男」ならば、遠藤周作(物故者なんだけどね)が書いてくれてもおかしくないような純文学系の題。
「鼻のない男」ではゴーゴリのような幻想系の文学を想像する。
「毛のない男」になりそうだと危機感を抱いていた昔の友人が、「マツチョなハゲ」になろうと体を鍛えていると言っていて、「屈託のない男」で好ましいなと思った。

「愛のない男」――これは当然近くにいてはいけない存在なのであるが、年を重ねてくると「金のない男」、これがなかなか付き合うにはしんどい。それよりも決定的に眼前に現われてほしくないぐらい「氏ね」という感じなのは「品のない男」――これは男性の立場で「品のない女」を考えても同様であろう(つまり、こういうおふざけを書いていること自体、「品のない」ことなのだけれども)。
きのうBSでやっていた宮崎駿氏が手掛けた「ルパン三世」のアルバトロスの話。全裸の峰不二子ちゃんは全裸なのにいやらしくなく、品があってきれいだった。ゲストもそう解説していたな。最終回のものも見たかったが、最近早寝なので、それしか見なかった。最終回、どんな展開だったか覚えていないのよ。
ルパンや次元大介のように「子のない男」に「妻のない男」――これは最近少なくはないと思う。すると「女のない男」という言い方も成り立つ。「母のない男」は自分が年取りゃ当たり前なわけで……。
「家のない男」は段ボールにくるまって寝ていらっしゃいますが、捨てられた雑誌を拾ったり、または自立支援のための雑誌を売って稼いだりという、偉い「家のない男」もいるわけだ。
「車のない男」はエコというやつですな。
「根のない男」はデラシネ。「根気のない男」は根性なし。「毒のない男」は善良と見えて、必ずしもそうだとは限らない。「暇のない男」は多忙なのか、要領が悪いのか疑問なり。「隙のない男」と聞いて、武道家か忍者かと思うなかれ、伊達男だというケースもある。

「学のない男」はどうなのか。昔は学はあった方が圧倒的にいいと思っていたものだが、最近は生活力や運があるのが良いと思う。「運のない男」「ツキのない男」は小日向文世氏が主演しそうなドラマの題に適。
「靴のない男」の話は、語学研修でホームステイしたときに読んだような……。ええっと、誰の短篇だったか忘れてしまった、Dead Man's Shoesだったっけ。
「華のない男」は入閣するような人にもよくいるけれども、地道に仕事に取り組めばいいのだろうし、「愛嬌のない男」「限度のない男」よりもよほどましかもしれない。
「歌のない男」はつまらなそうだが、「体力のない男」、いや、それ以上に「向上心のない男」はまるでつまらなかろう。
「希望のない男」――これは閉口ものである。

「背のない男」でも、「脂肪のない男」ならばいいんじゃない?
というわけで、切りがないのでこのくらいにして、「オチのない男」に〆させることにしましょうか。

[追記]「用のない男」――これが一番ムゴいねえ。
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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
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http://biwa.blogtribe.org/を、
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