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【No.1049】東京デート指南…7月20日

「穴を掘って埋めてやろうか」というような惨憺たる1学期の成績評価がきのう戻ってきた。期末考査だけの結果はまずまずだったようなので楽しみに待っていたら、「1教科勉強し忘れた(はァ?)」という中間考査の赤点が響いたのと、芸術科目、技術家庭科などの評価が芳しくないのとで、お粗末な結果なのであった。

梅雨が明け、私学的にはきょうから夏休み到来である。昔からそうだが、「バカ」にも「優等生」にも等しく夏休みはやってくるんで良かったな~。と、正面切っては言わないですよ。
バカでも愛されることが大切なので、将来、気立ての良いお嬢さんに好かれることを願い、夏休み初日は、通学路の途中にある恵比寿・渋谷方面で遊ぶ。遊ぶというより、我が家流(私流)の教育だす。
気の利いた場所やコースを覚えよ、感性をしっかり磨け、話題を蓄えよ!!!

目的地は東京都写真美術館
ここで、琵琶湖の近くにアトリエを構え、「里山」という概念にこだわって「自然」「人」を撮り続けている今森光彦氏の「昆虫4億年の旅」という展覧会が開催中で、それが目当てだったのである。
出かけていくと、都内在住の小中学生は入場が無料、おまけに本日は「親子ふれあいデー」ということで、子連れの親は入場料が半額。今森光彦展だけではなく情報を得ていなかった展覧会が他にもいくつか行われており、それならこれも是非見せたいと、「世界報道写真展~2008~(WORLD PRESS PHOTO 08)」もいっしょに有難く見てきたのだ。

戦争、紛争、暗殺、反乱、虐殺、環境破壊、虐げられた人びと、犯罪被害者、無名のアスリートたちのスポーツシーンなど、きょうはそういうものを見に行くつもりではなかったので、覚悟がなく無防備のうちに生々しい世界の現実が目の前で展開され、ものすごい衝撃を受けた。
125ヶ国5000人以上の報道写真家が応募した80536点の写真のうち、入選した59人の作品の展示。なかには、日本人写真家・高木忠智氏の出品作品もあった。混んでいて見られなかったが、会場の一角では、ミャンマーで亡くなった長井健司さんの仕事をしのぶビデオも上映されていた。どこのガールスカウト団の子たちか、観客にはユニフォーム姿の女の子たちが何人か混ざっていたようであった。
写真の何枚かはこちらで見られる。ポートレートの単写真1位の「プーチン大統領」はどこかで見たことがある。また、「現代社会の問題」の1位、ゲリラや兵士が流れ込んだコンゴ東部ビルンガ国立公園で殺されたゴリラの死体が運ばれる写真は、つい最近出た「ナショナル・ジオグラフィック2008年7月号」で見たばかりであった。

昨夜、細田守監督のアニメ版「時をかける少女」を息子と見て、それはそれで非常に感激して見ていたのであったが、あそこで繰り広げられたように、一瞬が凍結した世界――これは最近出たSF作家プリーストの短篇集『限りなき夏』にも題材に使われていた――それが、世界の決定的場面を切り取った形で並べられており、不思議な思いに満たされる。
特に、爆風で破片が飛び散り、靴が宙に固定された写真。あれをカメラに収めるとはどういう覚悟の取り組みなのかという感嘆とともに、繰り広げられている現実の臨場感におののき、こちらの肉体と思考も凍結する思い。

スペインというと、現地でも触れたことのある文化芸術の豊かさ、食べ物のおいしさ、人びとの陽気さ、サッカーのスペインリーグやナショナルチームの魅力など、観光資源としての要素ばかりが強い印象だが、若者が何枚か写された写真があり、それが皆、子ども時代に性的虐待を受けた男女だというキャプションがあった。キャプションによれば「スペインの17歳未満の男の子の15%、女の子の23%が性的虐待を受けたことがある」そうだ。驚くべきデータである。
データに驚きながら、虐待で辛い思いをした経験がある男女の実在を示す写真――写真とキャプションの止揚効果について思い知らされる。つまり、片方が欠けてはダメだという相乗効果の高さということである。
このような酷い現実ばかりが並んだ写真展を中学1年の息子がどう受け止めているかが気になって、ときどき話しかけてしまったが、これを見たあと併設のカフェで食事をしていると「13歳は13歳なりの受け止め方があるので、話しかけられるのは余計だった」と言われてしまった(しょぼん)。

この展覧会、毎年行われているのか、それならば来年以降も通うと良いと思った。ただ、混んでいると、写真横にあるキャプションが人の動線の具合で見辛いので一考されたし。
休みの日、海へ山へ観光地へショッピングセンターへとレジャーに向かう人が多い中、見に来ている人たちが美術展鑑賞者とはまた違い、格別良識的で意識の高い層であることがよく分かり、独特の鑑賞の雰囲気があった。東京という街の底力を見せつけられた気がした。
それから、併設のカフェの名は「シャンブル・クレール」、つまり「明るい部屋」という。ロラン・バルトの写真についての文章をまとめた本の題ですね。感じ入った。上品なサンドイッチ、温かなサービス、居心地良いインテリアなど、それでいてすいている。恵比寿の避難所として良い。
<この項つづく>
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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
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http://biwa.blogtribe.org/を、
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