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【No.1403】71人の『あのとき、この本』




『あのとき、この本』は乳幼児向け月刊絵本「こどものとも0.1.2」の折り込みふろくに2007年~2013年まで連載されていた記事をまとめたんだって……。71人が原則として1冊の絵本を取り上げ、それにまつわる思い出やご縁や体験などをエッセイにまとめている。
それだけなら、どこかでもやっていそうな企画なのだけれど、それにしても書き手は実に豪勢なのだけれど、こうの史代さんがエッセイに絡めて4コマ漫画を付けていて、それが豪勢さを一層引き立てている。

岸本佐知子さんがくんぺいさんの『びりびり』を取り上げていて、それが彼女の翻訳する「ぞくり」「シャーッ」「そんなぁ」といった世界観の小説の味わいとあまりに溶け合ってしまっていて感心する。

五味太郎さんは『きんぎょがにげた』を取り上げていて、この作家はやはり自分の作品が大好きで、それだけ自信の持てる作品作りを徹底してきた人なのだなあと確認できた気になった。

松谷みよ子さんも自作『いないいないばあ』を取り上げていて、この大大大ベストセラーの誕生秘話が書かれているのを興味深く読む。今でこそ定着した「赤ちゃん」絵本、おまけに全国的広がりを見せるブックスタート事業もあるが、その嚆矢は、「赤ちゃんに絵本を見せるなんて!」と批判的に受け止める人も多かったやに聞いている。

なだいなださんの『ふしぎなえ』『ABCの絵本』をめぐるエピソードは、ものすごく面白い。安野光雅さんの名字の欧文表記を見て外国人作家だと勘違いし、出張先からおみやげに持ち帰ったという。

外国人作家と間違えられた当の安野光雅さんは自作『旅の絵本Ⅳ』を挙げながらも、エッセイではこの絵本の取材中に訪ねたターシャ・テューダーの家と、そこで交わした会話のことを書いている。安野さんはエッセイの名手でもある。

複数の人が長新太、林明子、かこさとし、バーニンガム作品を挙げている。
書き手にも、取り上げられた作品の作家にも、お会いしたり電話で話をしたことがあったりという方がいて、以前、少しだけ絵本に関わる仕事をしていたことが夢のように思い出された。
僭越ながら、その記憶と、この本に収められたいろいろな人たちの思いが、遠い緑の国を吹きわたる風の中にいるように混ざり合ってしまったのだ。

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テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

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