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【No.1397】びっちゃんびがつく びすけっとみつけた

おはなし会の導入に、この『あっちゃんあがつくたべものあいうえお』が楽しく使えるということを教えてくれたのは、松本市で「ちいさいおうち」という子どもの本の店を長年経営している越高夫妻の奥様の令子さん。JPIC読書アドバイザーの大先輩。
確か医療センターのボランティア研修会でのことだった。
地域でふんばっている子どもの本の専門店は全国にいくつかあるが、そこで暮らす親子や教育関係者にとって、文化の香りする本の専門店があることは生活の満足度に少なからず影響があることと思われる。
それは、はるか昔わたしが子どもだった頃、地方暮らしをしていたとき、県庁所在地まで出張に出る父に、母が童話の本をおみやげに買ってきてほしいと頼んでいたことからも想像できる。
オンライン書店が多くできたにせよ、子どもに渡す本をまずは手に取り、「どういう大きさか」「どのぐらいの文字の大きさか文字量か」「内容はどうか」といったことを確かめたい親は多い。そして、それを子といっしょに「これ、ください」と買う喜びを味わいたい親は多い。

越高さんの情報をしばらく眠らせておいて、4年ぶりぐらいに「一度私も使ったるか」と先週の日曜、読みきかせを実践してみた。
東京で1回目の大雪が降った翌日の会であった。
子どもたちはそう集まってこないだろうと考えていたら、お出かけの予定を変更せざるを得なかったせいか、それで近場で我慢しておこうということなのか、思いのほか大勢いて、見守るパパママも多かった。育児熱心、教育熱心な土地柄の場所だったからだろう。
子どもたちは、「午前中に雪遊びしてきた」と言っていた。

この絵本は、見開きごと「あっちゃん あがつく あいすくりーむ」「いっちゃん いがつく いちごじゃむ」「うっちゃん うがつく うめぼし すっぱい」というように展開していく。向かって左ページにかるたの読み札のような文字、右ページにイラストという構成である。
びわちゃんの「び」が見出しの通り「びっちゃん びがつく びすけっと みつけた」になる。あいうえおの「わ」まで到達すると、「がっちゃん」と濁音が始まり、続いて「ぱっちゃん」という半濁音もある。
最後に「をっちゃん をがつく てを あらおう」と来て、「んっちゃん んがつく おやつの じかん」というのはやや苦しい感じの結びだが、最後の「ん」の見開きでは、全体を通して登場する動物たちが、登場したお菓子をずらり並べてパーティーしている。つまり皆でわいわいものを食べるという、子どもの本の黄金の手本みたいな場面で終わる。

全部読み通すと時間がかかる。したがって、その場にいる子どもたちの名前を聞きながら、「ああ、よっちゃん。よっちゃんはね。ちょっと待って」とページをめくり、「よっちゃん よがつく よーぐると」と披露。一人ひとりのページを開いて読むたび、「わあ」「〇〇だって」と場が非常に盛り上がる。
この実践の日は、たまたま国際的な家庭のお子さんが何人か混じっていて、名前のバリエーションがあったので、より一層楽しめた。
名前というのは、大人から子どもへの大きな贈り物だろう。そこに皆の関心が寄せられれば、参加している一人ひとりにとって嬉しい体験になる。
だっこされて眠っている、まだ小さな赤ちゃんの名前もママに聞いてみた。
「ねえ、みんな、あの赤ちゃんのお名前も聞いてみて、いい?」と声かけしながら……。

大勢がいた会だから、かるたの読み札に何が書いてあるかを楽しむような、つまり音声や言葉に集中する使い方になってしまったけれど、この絵本は、時間を割き、じっくりイラストを眺めてほしい。
「かっちゃん かがつく かすてーら」では切られたカステラたちから手足が生え、並んで電車ごっこをしている。
「さっちゃん さがつく さーんどいっち」では、かえるのコックさんたちが、マヨネーズをかき混ぜたり、パンを4匹がかりで運んでいたり、きゅうりのスライスやハムをしいたりしている。
「てっちゃん てがつく てまきずしくるりん」では、手足の生えた手巻き寿司たちがトゥシューズをはいてバレエを踊っている。
「ひっちゃん ひがつく ひなあられだよ」では、三人官女らが大粒のひなあられをぼーりぼりと食べている。

絵本作家さいとうしのぶさんの作品は、この本に限らず、どこか古き良き日本のひなびた雰囲気が漂っていて味わい深い。細かいところまで丁寧で、無骨なぐらい手作り感にこだわっているのが伝わってくる。だから、絵を見ているうち、手や思いを込めた「たべもの」のおいしさが舌に感じられてくる。

こんな絵本を一冊与えられたら、「あいうえお」は楽しく学べるだろう。
そして、グラタンの昼食を取る日には「まっちゃん まがつく まかろにぐらたん」、お寿司屋さんに行ったら「すっちゃん すがつく すし くいねぇー」と歌いながら、家庭の生活文化を面白く共有していけることになる。

ご参考まで、ボーカロイド「巡音ルカ」が、この絵本を歌っているのでリンクを貼りつけておく
「あっちゃん あがつく」



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テーマ : 絵本
ジャンル : 本・雑誌

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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
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