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【No.1366】母が子離れするときの本

セブンティーンの息子が、『おおかみこどもの雨と雪』(角川文庫)というヤワそうな本を読んでいたので、「ちょっと貸してみい」と頼んで借りて読んでみた。
この夏、全国公開されたアニメーションの原作で、本を書いたのはアニメ版「時をかける少女」で知られる細田守氏。
「しょせんアニメ作家が書いたアニメの原作」と思っていたけれど、これがなかなかあなどれない。

そして、さすがメディアミックスの先駆けたる角川書店。出版戦略もあなどれない。
息子が買った文庫は2012年6月15日刊で540円。
これね↓

そして他に、同じ内容の本が2冊出ていてびっくり。
左が角川スニーカー文庫で、ルビ付き580円。これが7月30日刊行。
右が角川つばさ文庫で693円。こちらは7月11日刊行。
素の角川文庫シリーズは一般向けだけれど、スニーカー文庫、つばさ文庫には、それぞれ対象とする若年層読者がいる。全チャンネルに仕掛けたということだ。


彼はそんな彼女を、野に咲く小さな花のように大切に扱ってくれた。(P17)

こういう調子で、歯が浮くような感じがしないでもない。

彼は、明治期に絶滅したとされる、ニホンオオカミの末裔だった。
オオカミとヒトとが混ざり合い、その血を受け継ぐ最後の存在だった。
彼の両親は、まだ幼い彼に滅亡した一族の歴史を語り、その事実を他言してはならないと告げて亡くなった。
(P26-27)

「はァ?」という設定に感じられなくもない。
大学生だった「花」という女性と、このニホンオオカミの末裔が結ばれ、2人の子が生まれる。

もっとも、動物とヒトが睦む話は日本昔話にもいくつかあり、代表的なのは「つる女房」。
「きつね女房」やら「さかな女房」などもあるので、「おおかみ女房」があってもおかしくはない。

『おおかみこどもの雨と雪』では、母親である花が一人で子育てを行うことになる。
ヒトとして生きるのか、オオカミとして生きるのか、成長につれ葛藤が強まる子どもたちを見守る母親の葛藤も重なる。
自立をどのようにサポートしていくべきか、自立の時をどのように覚悟していくべきか――「ヒトと自然の共生」というテーマもはらみ、物語は「自立に向かって成長していく子どもたち」「子どもの自立について思うところある親」という異なる立場の戸惑いと変化、決意を追いつつ展開していく。

ヒトとオオカミをめぐる物語は世界にもいつくかある。けれど、やさしい性格の若年層が増えた今の日本に、ちょっと見はヤワなこういう物語があっても良いんじゃないかと思えた。後味のさわやかな現代的メルヘン。
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テーマ : オススメ本!!
ジャンル : 本・雑誌

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息子も読んでます--というか読ませてるけど、ダメみたい。アニメの「サマーウォーズ」を見て、その勢いで原作本を読み、第二弾でこいつを読ませたけど、そうは問屋が卸さなかった。「サマーウォーズ」はアニメの記憶を辿っていたんだな。相変わらず本嫌いの息子です(涙)。

うちも本好きというようなものではなく、ごくとっきどき、書店で少しずつ買ってきて読む程度。携帯小説やら。

親の考えるように子は育たないねえ。
プロフィール

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
こちらに引き継ぎます。

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