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【No.1364】写真修正ボランティア

非常勤で仕事をするようになってから、決まった曜日の読み聞かせボランティアができなくなり残念に思っていた。したところが、今の生活に無理なく取り入れられるボランティアに参加できることになった。
先週、少し作業をしてきたのだが、震災で傷んだ写真の修復である。

汚れた水をかぶって色が部分的にはげ落ちてしまったもの、がれきによって無数の傷がついてしまったものなどを、なるべく元の形にする。フォトショップ・エレメンツを使い、角度補正やトリミングをしたり、ブラシやスタンプの機能で、汚れの上にきれいな地色を移植したり、明るさや彩度、色相などを加減したりで完成させていく。
えらそうに書いているが、エレメンツはフォトショップを一般ユーザー向けにしたソフトで、それを使ったのはまだ4~5回程度の私。それでも何とかやりおおせる。

この活動の中心になっているのは、社会貢献学会の中の「あなたの思い出まもり隊」プロジェクト。

関西の他、工学院大学新宿キャンパスにも活動の拠点があり、お世話になっているパソコン教室の先生が、そこと連携し、教室の生徒の有志と参加しているのだ。
「勤めに出るに当たり、エクセルのスキルを上げておいた方がいいかも」と思い、小学校と少年サッカークラブの保護者仲間だった先生に、エクセルの集中レッスンを数コマお願いした。
私のイメージでは、「パソコン教室というのは、ワードやエクセル、アクセスのような仕事に必要な技術を身につけるところ」だったが、そこの教室に集まる人たち(多くは主婦)が何をしているかというと、写真編集を習ってアルバムを作ったり、好きな素材でオリジナルカレンダーを作ったり、うちわにメッセージカード・年賀状、Tシャツや布バッグへのプリントなどに取り組んだり、何かこう手芸みたいなことなのである。

好きなことをそれぞれのペースでやって、先生がアドバイスをしてくれるというスタイルのレッスンがあり、そこで「生活を楽しくするようなものを作ってみては?」とお誘いを受けた。様々な経歴や情報を持つ人たちとおしゃべりできる休憩時間にも惹かれ、エレメンツを試したら、その面白いこと、面白いこと。
しかし、物作りをいろいろしていくだけでは何か物足りなさそうとも思った。

エレメンツに手を出してすぐ、テレビで「あなたの思い出まもり隊」の報道を偶然に見た。「被災した写真修正って、身近にスキルとセンスがあり、家族の思い出たる写真の大切さが分かる主婦軍団がいるではないか」と思った。パソコン教室の先生に連絡したところ、さすがに機転が利いて行動力のある方、さっそく事務局に連絡して打合せをし、生徒たちに呼びかけて実働部隊を結成してしまったのである。

生徒たちはレッスンの一部として、写真の修整方針を先生と相談しながら取り組む。通常のレッスンとは異なり、実践的な作業だし人さまのためになるものだから意欲的になる。ボランティアに取り組みたいからフォトショップ・エレメンツをやりたいという人も出てきたようである。

編集や制作の仕事をしていた頃、印刷会社の一台何千万もするレタッチ用スキャナーで写真原稿や原画の汚れを取ってもらったり色補正をしてもらったりした経験が過去にある身。だから、このエレメンツという1万円ちょっとのソフトがいかに驚異的なものだか分かる(実はまだ、自分のパソコンにはインストールしていない)。

先週取り組んだ2枚は、ある家族の晴れの日の写真であった。汚れがひどく不要なものが写り込んでいる部分をトリミングし、細かい汚れを取り去った。着ているもののハイライトを効かせて華やかにしたり、全体に赤紫がかった色調を、人々の顔色が健康的に見えるよう、肌色に近づけたりした。
飾ってあった花が、少し寝ぼけた感じだったので、ほんの少しだけ、花を足す創作もしてしまった。
しゃべらずに集中して取り組めば15~20分かければできる作業だろう。すっかり生まれ変わった写真に、驚いた。
他の写真に取り組んでいた人の中には、子どもの顔のアップの写真の周りが、あんまり汚れているので、プリクラ風に……と、かわいらしいモチーフの額縁をつけている人もいた。ひどく改変してしまうと、オリジナルを損ねることになりかねないが、思い出を少しだけ「よそ行き」におしゃれさせることは許されると思う。たぶん、その判断は、人生経験のある主婦たちの部隊だからこそ、ブレずにやっていける。

今は仕事で社会教育や生涯学習に関わっている。自分の興味があることを学んだり、けいこやレッスンでスキルを高めたりして、張りのある生活をしてもらうための支援である。これは超高齢社会を心身健康で過ごすためのキーとなる機会である。
だが、社会が様々な問題を抱えて逼迫してくれば、個人の生活に張りがあるだけでは不十分だ。
身につけたスキルや知識を社会にうまく還元していくようにし、それが、小さくなった政府・行政体で手が回らなくなった部分を補うようにしていくことが必要になってくるだろう。
ボランティア、つまりタダでやる人が増えると、正規労働の価値を下げてしまう面もあるが、税収が少なくなり、できる事業に限界が見えてくれば、人々は自分でできることは自分でしなくてはならないのである。

写真修正も、それを請け負える業者の商売の機会を阻んでしまうことになる。だが、業者に出す経済的余裕のない人も含め、修正してほしいと持ち込まれた写真点数は、数万に達しているという。
おけいこ事の先に、人前で発表という段階があるが、その先に、押しつけではない社会貢献ができたとき、それはミシン油のように少しずつ社会を潤すのではないか。

ここ数年、何人かの人を、その人に似合うボランティアにコーディネートすることに成功している。自分にできることは限られているけれど、人の力を社会の力につなげていくことに興味がある。



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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
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