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【No.1362】新しい母たちと楽しんだ絵本



集まってくれた顔ぶれを見わたすと、ようやく「はいはい」ができるようになったぐらいの赤ちゃんを抱っこしたお母さんたちが4人、後ろの方にも赤ちゃん連れの親御さんたちがいた。子どもたちは2歳ぐらいから小学低学年ぐらいまでというように、年齢にかなりばらつきがあった。
これはこれ、年上のおはなしをよく聞ける子の様子に引き摺られ、小さい子も長めのおはなしでも聞けてしまえる可能性があって、良い感じなのである。

赤ちゃんたちが1冊でも2冊でも良い反応を見せてくれ、お母さんたちがちょっとだけでも「おはなし会に来て良かった」と満足して帰れるようにしないといけない。それでいながら、おはなしの世界を味わえる、おにいちゃん、おねえちゃんたちに「赤ちゃん向けの絵本ばっかりで、何かつまらなかった」と思われないようにしなくてはならない。こうしたミッションを負ったおはなし会を、午後にこなしてきた。

最初に打合せておいたプログラムが集まった顔ぶれで変わってしまうことはしょっちゅうだけれど、きょうも1冊終えるごとに、「次、これでいい?」と目や小声でパートナーと相談し合いながら、手探りで進めていく。
結果、パートナーが2冊、私が3冊と紙しばいを1巻、途中の手遊びの音頭取りもしてしまい、ややでしゃばり過ぎの感じの会になってしまった。反省。

新緑の野山を思わせるような絵本、お弁当の絵本など、この時季向けの絵本を持ち寄ったが、きょうが母の日当日ということもあり、振り返ってみれば、上に書影を掲げた4冊が「母」がらみなのである。

『くろねこかあさん』は、早世した東君平さんの切り絵が楽しいロングセラー絵本。パートナーが持ってきてくれた1冊で、とてもうれしくなる。なつかしい作家だからだ。
東君平という作家を知ったのは、中学生のとき。パステル画のアンパンマンをやなせたかし氏が連載していた「詩とメルヘン」という雑誌に、君平さんの作品もよくお目見えしていた。圧倒的な個性だった。
おはなし会のオープニングからモノトーン絵本を持ってくるのはチャレンジだが、すっきりした画面で母ネコと白い子ネコ3匹、黒い子ネコ3匹が動き回るのに、子どもたちの目は釘づけ。「モノトーンだから」という、おかしな先入観は不要だったことになる。

つづいて、あまり読むつもりはなかった『ひよこ』を2番手に持ってくる。
「きょうは、赤ちゃんたちが多いから、赤ちゃんのご本を1冊読みますね」と大きな子たちに声がけをした上で……。
「あれ?」とか「あ」とか「とことことこ 『あら、ひよこちゃん。どこいくの?』」ぐらいしか各画面に文字がない。たっぷり間を取り、ゆっくり絵を見せてあげる。
この絵本は、空色、白、黄色、赤というように、色がはっきりしていてグラフィックに優れた絵柄なので、大きめの子たちは、それに退屈しないし、赤ちゃんたちは、前に身を乗り出し、目をキラキラさせて、実に良い反応を見せてくれた。
その勢いで、次の紙しばいも聞いてもらえる。幸い、紙しばいは、子どもたちにも声を出してもらう参加型のものであった。
続けて、手遊び。導入にも手遊びをしているので、ここまでで15分ぐらい。

実は、赤ちゃんたちは、このあたりで抜けてもらってもいいような組み立てにしてみたのだけれど(このような流れは、いつも心がけてきたこと)、お母さんたちは、赤ちゃんたちの反応が良いのがとてもうれしい様子。少しご機嫌が悪くなった赤ちゃんをあやしあやししながら、続く絵本3冊も聞いていったので、びっくりしてしまった。
「えーん」「うーっ」と声を上げる赤ちゃんたちが近くにいると、おはなしを聞く子どもたちは集中力をもたせにくい。それで、いつもよりメリハリをつけ、やや芝居がかった読みきかせをした。

パートナーが1冊お弁当の絵本を読んでくれ、その次は、もうフィニッシュの大型しかけ絵本『おかしなかくれんぼ』にしてしまおうかとも考えたけれど、大きい子たち向けにセンダック『かいじゅうたちのいるところ』も思い切って入れてみた。正直に言うと、センダックが亡くなったばかりなので昨日、思いつきで急に持参することにし、声を出して読む練習はしていかなかった。久しぶりに読んでみたら、「こんなに長かったかな。まずい……」と途中で思った。
プログラムの中では長めだけれど、「この語り!」「この絵柄!」と改めて感心しながら、どう伝わっているかなと、聞いてくれている子や大人の表情を確認しながら読む。最後に思わず「一番好きな絵本かもしれません」と言葉を添えてしまった。

『ひよこ』も最後の方にニワトリのお母さんが登場する。『かいじゅうたち~』はお母さんの姿は出てこないけれど、主人公のマックスは、最初に、いたずらが過ぎてお母さんに怒られて夕飯抜きで部屋に閉じ込められるし、かいじゅう王国で過ごしてから戻る気になるのは、「やさしいだれかさん」のところへ帰りたくなるからなのだ。そして、部屋に戻ると、そこには、ほかほかの夕飯が用意されている。
母親の影が、ファンタジーの「入口」「出口」で用意されていることになる。
だから、子どもたちに楽しんでもらうとともに、聞いてくれているお母さんたちに、マックスのような子どもにとっての母親の存在の大きさが十分に伝わることを願って読んだ。

かくれんぼをしている友だちの体の一部がハンバーガーやサンドイッチ、ホットケーキなどの食べものに見えてしまう、大型のしかけ絵本『おかしなかくれんぼ』(大型だけでなく普及版もあり)も、最後は、くまのお母さんが出てきて、おやつの時間になるという内容。

お母さんネタ尽くしの会となって、「母」というキャリアを積み始めたばかりの若いママたちの楽しそうな笑顔がいくつも見られ、きょうのおはなし会も魔法のようなひとときを過ごせた。
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テーマ : 絵本
ジャンル : 本・雑誌

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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
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