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【No.1360】闇に射す光が求められる理由

前に美輪明宏さんの本を読んでいたら、仕事が来ないとぼやく人に「そういう黒い服ばかり着ているから」と指摘し、運気を呼び込む色の服を着るよう助言したと書かれていた。その人は助言に従い、明るい色のものを身につけるようにした。
ほしたら、仕事に恵まれるようになったんだと。とっぴんぱらりぃのぷぅ。

……これじゃ、終わっちまうじゃないか。

それはそうと、最近、大学に入ると共に、男子も女子も黒っぽいスーツを用意するようで、よせばいいのに、そういうスーツを就職活動で再び持ち出してくる。生き生きした若い人たちが、黒服ばかり着ているのを見ると、美輪さんの指摘を思い出し、「だから景気悪いんじゃね」と思ったりする。

車の色についても、景気が良い時代には、さまざまな色のものが売れるけど、景気が悪いと、白やグレーのようなモノトーン系が売れるという話も聞く。確かに、ここ数年、そういう傾向にないですか。

本も、そういうところがあるのかな。
最近読んだセロー『極北』も白っぽかった。私自身は、キッチュな色合いのものより、シンプルで白っぽいジャケットの本を選ぶのが、ここ数年の傾向だ。ジャケ買いばかりするわけではないものの……。
ごちゃごちゃした主張過多なものは、社会の低迷からくる虚無を引き摺る者には、どこかしんどい印象を与えるのよ。

きょうのメインは絵の話だ。

景気が良かった時代、日本で好まれるのは、画面全体に光が回っている印象派の絵だった。
日本人が一番好きなのはルノワールという定説があったと思う。
今は、やはりフェルメールですよね。今年も、もうすぐフェルメールの絵がやってくる。

この絵画の好みも、社会をとてもよく反映している気がしてならない。
屋内の暗がりでじっとしている人物たちに、窓から淡い光が降り注いでいる絵画――私たちが置かれた状況を象徴するものとして、フェルメールの光の表現が好まれているのだと言えないか。

前置きばかりで、かんじんの本の中身を紹介する気力がきょうはないのだけれど、宮下規久朗『フェルメールの光とラ・トゥールの焔』(小学館ビジュアル新書)が、とても良い。

印象派というのは、実は日本の絵画の影響をショックとして受け止め、光が全体に回るように描かれるようになったものだ。この本は、西洋美術の闇の系譜を辿っていこうという意図の下、書かれた論考なのである。

本当は、もっと大きな本に仕上げられる予定だったらしいが、新書というコンパクトな体裁だから、手軽に読めた。手軽だったけれど、闇があるからこそ光が意味を持つということ、それに様々な表現で取り組まれてきた西洋美術の歴史が分かりやすく、それでいて深く書かれている。
カラー図版も多く、お値打ち感がある一冊。
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テーマ : オススメ本!!
ジャンル : 本・雑誌

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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
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