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【No.1166】As you know…6月27日

昨日はたまたま銀座に出る用事があり、銀座教文館書店内にある子どもの本の専門店ナルニア国に少しだけ立ち寄った。ナルニア国は今年で10周年を迎えたそうだ。
この書店の特徴は、厳正な審査を行って選考した本だけを棚に並べるということ。したがって、いくら押しの強い営業担当が売り込みに行っても仕入れてはもらえない。そしてもう1つの特徴は、その枠とは別に、この1年で出た子どもの本を全部並べている棚があるということ。1年分全点棚は、前は別の階にあった。私はナルニア国に行くのがとても久しぶりであり、同じフロアに1年全点棚を移動させてから初めて行った。ワンフロアに子どもの本が揃ったのは、とても便利である。
購入したのは下の2点。岩波ジュニア新書の新刊『図書館で出会える100冊』とカルヴィーノ『マルコヴァルドさんの四季』の新訳である。きょうの話は、左の本についてだけ。

『図書館で出会える100冊』は、各図書についてのあらすじが主で、それに「こういう本である」というポイントが付されている内容のブックガイドなので、すっ飛ばし読みで、ものの30分ぐらいで読み終えた。よく考えると、椅子に座って読んで帰ってくれば良かった。
下に並べたような、私も読んだことのある本がリストアップされていたので興味深く読んだり、読んだはずなのに忘れていた筋を思い出させてもらったり……。
好みの本が重複したり、「これ、面白そうだな」と思える知らない本が何冊も出ていたりで、自分には十分有意だったのだが……。ジュニア新書で出ているけれども、実際このガイドブックを活用するのは年配ご婦人の児童文学愛読者が中心かと思える陣容と言えそうだ。

リチャード・ペック『ホーミニ・リッジ学校の奇跡!』(東京創元社)
グロリア・ウィーラン『家なき鳥』(白水社)
レイ・ブラッドベリ『さよなら僕の夏』(晶文社)

スティーブン・キング『トム・ゴードンに恋した少女』(新潮社/こちらの単行本は品切れだけど、リンク先に自分が書いているので貼ってみた。ジュニア新書で紹介されているのは流通している新潮文庫版の方)
シュピーリ『ハイジ』(福音館書店)
長田弘『本を愛しなさい』(みすず書房)
とまあ、こういった感じの本が紹介されているけれども、少なくとも拙宅の愚息やその周りの友だちが読みそうな本の選択ではない。

数日前、ある店で軽くお昼を食べていたら、隣に座っていた高齢のご婦人2人が「最近、図書館で子どもの本を借りて読んでいる。今もムーミンのお話を返してきたところ」「環境問題について知りたいというときに、子どもの本だと字も大きいし、分かり易く書いてあっていい」というように話していたけれども、そういう層にズバピタのガイドブックだという印象を抱いた。

それをさらに確信したのは次のような書き方である。
スタインベック『チャーリーとの旅』(ポプラ社)について紹介した文章のところ。

もう一つの旅の仲間は、トラックの「ロシナンテ号」です。この名前は言うまでもありません。ドン・キホーテの愛馬からとったものです。(P78)

こういう書き方、カッチーンと来るんだな。「この名前は言うまでもありません」という上から目線。
著者は長年、東京杉並エリアで司書として仕事をしてきた人で、そりゃあ、本のプロなんだろうけれども、「何か面白い本はありませんか」と尋ねてくる子どもの相手をしてきた人が、As you know的な、「当然の教養よ」という表現はないだろう。ドン・キホーテのお話を読んでいない子の方が圧倒的に多いでしょうが。
無論、こういう書き方で、「ドン・キホーテぐらいは教養として読んでおいた方がいいわよ」という情報提供をしていると、良きに解釈できる。しかし、相手の知識や好みなどが分からない不特定多数の相手をする時には、「相手が知っていようがいまいが恥をかかせないような配慮」をして話をするのが心得であり、人徳、人品というものではないだろうか。
自分ペースで書いているブログじゃないんだからさ、そういう意味でのリテラシーが必要だよね。
つまりリテラシーというのは単なる言語技術ではなくして、そういう気持ちの入った言語を使えるかどうかということで、あたしゃas you knowやらyou knowという米語的押し付けがましい表現は嫌いです。
自分も同様の間違いは結構犯しているかとも思うが、評論をするときに、人口に膾炙していないにも拘らず「よく知られたことだが」「周知の事実だが」「誰もが知っているように」などとしゃあしゃあ書いている人がたまに目につく。特に、女性の気の強そうな有識者に多い気がするが……。
気をつけたいものである。

このガイドブックはそこ一箇所が気に入らないという理由で、いずれ処分、処分。
杉並は隣の区なので、そこの図書館に寄付してしまうのも面白いかもしれぬ。

[追記]2日連続で、人聞き悪く根性の悪い記事で、気分を悪くした人がいたら済みません。
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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
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http://biwa.blogtribe.org/を、
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