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【No.1162】惹起文句…6月13日

ジャッキ・モンク。
セロニアス・モンクってピアニストがいたね。

所謂キャッチコピーというやつで、「ヘッドコピー、サブコピー、ボディコピー」などに分かれる。
その辺の詳しいところは、ピーライ(コピーライター)のソネアキラさんのところででも聞いてみてください。

村上春樹の新刊より、カズオ・イシグロの新刊の方が私にはニューズで、しかも初の短篇集なのである。
一昨日の夜更けに注文したブツが、他の3冊と共にきのうの夜早くに届き、相変わらず驚異的なbk1の配送の素早さなのだが、帯の文句を見て、あーら、びっくり。

ヘッドコピーは、

『わたしを離さないで』から四年。
カズオ・イシグロ待望の最新刊。


こういう感じなのだが、ボディコピーの方が下の通り。

ベネチアの広場から、ロンドンのフラットへ。
イングランドの丘陵から、ハリウッドの高級ホテル秘密階へ。
切なくロマンチックな調べを奏でイシグロの物語たちはめぐり続ける。


これを見て、自分が『幻の終わり』の惹起文句としたものに似ていることに驚いたのだ。

凍てついたマンハッタンのビルの谷間から、内戦で混乱するアフリカの内奥へ、
そして、もはや埋めることのできない人と人との間に横たわる溝へ、
かつては暖かなものが宿っていた心の部分へ――確かな筆致が捉えていくハードボイルドな空間。


そんなに大した類似じゃないかも……。
でも、びわちゃん、真似したんじゃないからね。絶対に違うからね。
投稿は6月10日で、本が届いたのは昨日の12日だもん。
と一応、言い訳しておこうかと思った。まったく大した話じゃないのだが……。

ところで、これも似ていてびっくりしたことがある。

ジョン・マクガハン『小道をぬけて』の投稿に、私がつけた文句は次の通り。

母から生まれたすべての人と、母であるすべての人が読むべき本。
現代アイルランドを代表する作家による、頑固で特異な文体の回想記。


その投稿からしばらく経って、シャーリイ・ジャクスン『ずっとお城で暮らしてる』が出たので買ったところ、作家の桜庭一樹さんが次のような惹起文句を帯につけていた。

すべての善人に読まれるべき、本の形をした怪物である。

これは、『ずっとお城で暮らしてる』に桜庭さんが解説をつけていて、その結びの次のような部分を抜き出したものである。

これこそ、本当の恐怖小説。
本書『ずっとお城で暮らしてる』は、ちいさなかわいらしい町に住み、
きれいな家の奥に欠落と過剰を隠した、すべての善人に読まれるべき、
本の形をした怪物である。


私は十二分に自意識過剰なので、「あれ、真似されちゃったかな?」と思ったのであった(笑)。

まあ、大量に文章を書いていると、こういうことがあるよね。
自分自身、「この響き、どこかで聞いたような……」と思いながら書いていることがある。
投稿でちょっと珍しい言い回しをすると、次の日やら次の次の日やらに、同じところで、その言葉を誰かも使っているというようなことも見受けられる。
単語の数は無数にあるけれども、日常利用されるものは案外限られている。独自性というのは、どの単語とどの単語をどう組み合わせて流れるようにするかということで、それが文体を作っていく。
みんなで開拓していけば、国民全体の日本語のリテラシーも上がるんじゃないでしょうか。

ジャッキ・モンク。
日常的な投稿遊びで、さほど気合いを入れ、根を詰めて考えやしないが、昔、編集の仕事をしていたときは、丸3日考えるというようなこともあった。漢字のままにしておくか、ひらがなに開くべきか。「それは」にするか「それが」にするかといった具合に……。
ピーライ的な仕事もやったことがあるし、フリーライターもしたことがある。
最近、確信犯的な長文書きだが、実は100字、200字ぐらいの短い文章を書くのって割に好きなのだよね。
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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
こちらに引き継ぎます。

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