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【No.1149】装釘萌え…5月6日

その昔、六本木WAVEや渋谷CISCOなどで、ロック系のアルバムを1~2ヶ月に一遍、3~4枚ずつ所謂ジャケ買いしていたことがあったけれど、本に関しては「ジャケ買い」というものはそうない。
しかし、4月の頭だったか3月の末だったか、「この本、結構高いなあ(本体2600円)」と感じつつ、どうしてもその場で手に入れたい衝動に駆られ、新宿ブックファーストの海外文学新刊面陳棚からさっと持ち去ったのが(いや、万引きじゃありませんよ)、下の『ブルターニュ幻想民話集』(国書刊行会)なのだが、この書影では何がそんなに良い装釘なのだか分からないですね。

何がポイントだったかというと、これ、竹尾あたりで扱っていた洋紙の何ていう銘柄だったか、墨を流したような柄の洋紙なのだが、そこにタイトル他が金で箔押しされている。「海外文学系で箔押しを久しぶりに見た」ということで胸がきゅうんとなりまして、どうしても手ぶらで、その場を立ち去り難くなった。

それで、このカバーを取ると、本体表紙には古いヨーロッパの本からでも取ったと思われる不気味な図版の数々が洋紙と同系色で印刷されており、そちらのタイトル回りとデザインあしらいはスミ色。不気味な図柄は、帯にも利用されている。
そして、実は私、箔押し萌えとともに「約物」萌えでもありまして、「約物」というのは今で言う絵文字、携帯電話に絵文字として入っている記号のようなもの。◆やら【】やら☆などです。
これをJISの標準記号ではなく、デザイナーがオリジナルで利用しているような凝った装釘が好きで(杉浦康平門下の工作舎のデザイナーたちの得意技)、この本では目次のページに、ブルターニュの旗の一部で使われている約物なのだろうか、特殊なものが使われていて、それも良い。

かんじんの中身の民話はもちろん面白く、物語以前の、人が話したままの「再話」という形態で、フランス版『遠野物語』となっている。これをチロチロ読み進めている。
それで、装釘者の名前を確かめていなかったのだが、2週間ぐらい前に見たら、「白井敬尚形成事務所」だって……。
「あれっ、白井敬尚って、知っている名前だ」と気付いた。以前の仕事仲間のご主人なのであった。

いまだに年賀状を彼女からもらっていて、それがいつも彼女が趣味で育てている山野草を写真に撮り、それをあしらったもの。デザインはこの白井氏がしているのである。
結婚するときに、「頑固なデザイナーだ」と言っていた。「何で結婚式に行った記憶がないのだろう」と思ったが。彼女たち、最近話題になった雰囲気の良い某ガーデンで家族だけで食事会をしたのであった。人のプライバシーはどうでも良い。そういうお洒落な人たち……という意味合いではある。

このジャケ買いのとき、私は本を1冊だけ買って帰るというのがどうも苦手なものだから、「何かもう1冊、コーディネートして買って帰るぞ」とお洋服を求めるときのような真似をした。この場合、コーディネートの要素は色である。
「水色っぽい表紙、水色っぽい表紙」と店内を探し歩き、結局、表紙のなりの良さと共に内容が面白そうと思えて買い求めたのが【No.1145】に書いた、旧ソ連での連続殺人事件を扱った『子供たちは森に消えた』の文庫本なのであった。

紙を扱っている竹尾は素敵な商売をしていると思うので――
ショールームである見本帖本店はこちら
昔から、デザイナーご用達の青山見本帖はこちら
息子が卓球用品を買いに行く高田馬場の「国際卓球」に初めて行ったとき、店の雰囲気が何だか青山見本帖に似ているなと思った。店舗設計者が同じなのかな。地球儀専門店やら、こういった専門店に気軽に足を運べるというのは、東京の人間の贅沢だとつくづく思う。
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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
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