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【No.1137】風の男たちとそよ風の子どもたち…3月8日

きのう50分ぐらいだけ白洲次郎のドラマを見てみた。
日本で初めてジーンズ(リーバイスかな?右の写真)をはいたと言われている男性ですね。

この2冊をしばらく前に読んで、おふたりが暮らしていた武相荘も何年か前に行って、ここにレポートも書いて、私の中のブームは去っているけれども、ドラマの選曲、映像の感じ、調度品・衣装などの美術はなかなか良いと思った。
あの役者もなかなかどうしていい男だ。ただ、白洲正子が何かヤク中みたいに表されちゃっていて、彼女が語っている設定というのがどうも……。もちっと、さばさば喋った人なんじゃないかというイメージを持っていたので、ピンとこなかった。

あすこに河上徹太郎が出てきていて、彼の著書『日本のアウトサイダー』は私が学生の頃の教養必読図書みたいな扱いで大層刺激的だったのだが、けしからん。中公文庫も新潮文庫も品切れ。現在、新潮社でオンデマンド出版だけしている。
ちなみにアウトサイダーとして書かれていたのは中原中也、萩原朔太郎、三好達治、梶井基次郎、堀辰雄、岩野泡鳴、河上肇、岡倉天心、大杉栄、内村鑑三などの面々。
河上徹太郎は、最近読んだ『吉田健一対談集成』(講談社文芸文庫)でも、計3章分、吉田茂の御曹司・健一と対談していて、日本の世紀末なんぞについて語っていて、面白い。

風のような冒険家と言えば、最近は石川直樹氏だろうか。
おとといの6日夜は世田谷文学館における『パリデギ』を書いた韓国人作家・黄皙暎氏の講演会を見送り、その前は六本木の青山ブックセンターでチラシをもらっておいた沼野恭子氏『ロシア文学の食卓』のトーク、そしてブルース・チャトウィン『ソングライン』の新装版で解説を書いた石川直樹氏のトークも見送ってしまった。

成し遂げた冒険のいくつかには「最年少で」と冠がつき、将来を嘱望されていた石川氏については、大変に気の毒としか言えない事故に見舞われた上、ネット上でもかなり炎上的な酷い叩きがあったようだが、写真と文章での今後の表現に期待したい。
と言うのも、ご本人は嫌がるかもしれないが、石川淳がおじいちゃんなんでしょ?
おじいちゃんトークの面白いDAIGOちゃんじゃないけど、そういう意味でも応援したい気になる。

石川淳は亡くなった作家しか所収されないらしい岩波文庫に珍しく存命中に所収された『至福千年』、私は持っているからいいけど、これは品切れ。
他に『狂風記』はまさに風の男の小説。あと、こちらの『紫苑物語』『六道遊行』という作品に、中村びわという人が何か書いているよ。
石川直樹氏が前に新聞で書いていたエッセイで、一般人がお仕着せの観光で出かけることなど「旅」じゃない、自己と向き合うのが旅だというように書いていたことについては、「頭、カタいんじゃない?」と思ったけど……。

最近、大磯の吉田茂邸と鶴川の白洲邸「武相荘」をめぐるバスツアーがよく宣伝されているけれども、刷り込まれたものの再確認だって、日ごろ出つけない人には新しい空気を吸う行為として、旅の意味はあるのだと思うよ。
たとえば、私は白洲邸に行ったとき、ある隅っこの地面の株から生え始めた青い葉を見て、それがホトトギスだと分かった。自分の家の狭い敷地にもその株があるからホトトギスだと分かった。とても地味な植物なんですよ。
でも、それがなぜホトトギスと呼ばれているかということを知ってたりすると味わい深い植物なのだ。そのように、人は独自の体験に照らし合わせ、冒険のような大げさなものでなくても、知の冒険のひとときを持てるのである。お手軽バスツアーの中であったとしても、そういう体験ができるなら、そういうものを旅と呼ぶことに何のためらいもない。
テレビで見たおいしいものを直接食べに行き、「ああ、やっぱりおいしい」と確かめに行くのだって、そういうことで満足の行く自分を確認するのであるから、何を旅の価値、満足にするかというのは、何も他者のケースを否定しながら傲慢に書くことではない。ただ、自分にとっての旅や冒険の価値を表現してみれば良いだけのこと。
チャトウィン『ソングライン』はそのうち読んでみたい。二コール・キッドマンの映画「オーストラリア」とカップリングで楽しむと良いのかも……。

そうそう、風の男・白洲次郎については、西武流通グループ総帥であった堤清二こと辻井喬氏が小説を書こうとして、白洲さんは生まれが貴族的だから面白い小説にならないかもしれないと考えてやめて、代わりに財界四天王・水野成夫について新聞小説で書いたという経緯もあった。
その題が『風の生涯』なのである。ここのリンクでも、中村びわという人が何か書いているよ。
<つづく→つづきは子どもたち用の本の話の予定>
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中村びわ

Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
「本のシャワーにさらす肌」
http://biwa.blogtribe.org/を、
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