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【No.1131】穴に落ちたら這い上がれ!…2月20日

「ディストピア小説のネタか?」と思わせられるような医療ミスやら、ロックスターでもないのに人前で話すのにラリっちゃった人やら、「穴があったら入りたい!」という人もポツポツいるにはいるけれども、今、先進国の多くの人びとは、思わぬところに穴が開いていたものだから、うっかり落ちてしまった。だが、這い出す方法が見つからないという感じかと思う。
そこで!

「勇気が出る絵本をご紹介します」ということではなく、単に穴に落ちてしまった動物たちの絵本の紹介。

左が昨年出た、ベストセラー童話『あらしのよるに』の作家・木村裕一氏の新作である。
お話の詳しい流れを知りたい人は、どうぞ書影のリンク先へ……。
そちらにも書いたのだが、どうもこの話、右に並べた灰谷健次郎大先生の定番絵本『ろくべえまってろよ』を裏焼きにした感じで楽しめる。

『ろくべえまってろよ』は、表紙の絵の通り、穴に落ちちゃったかわいそうな犬の話。これを見つけた子どもがいて、子どもたちが集まってきて、「どうしよう、どうしよう」ということになる。お母さんたちを呼んできても、「まあ、かわいそうね」としゃべっているだけで先に進まない(実社会でよく見受けられる状況)。
子どもたちは、ろくべえの息が苦しくならないか、どうしたら救えるか、額を寄せ合いながら犬を励まし、救出方法を模索する。それで、ある子がうまいこと手を思いついて、無事救出できるという結末が待っている。
他力本願的な展開で、その点、子どもに読ます本としてどうなのかという疑問もあるが、つまり、犬が自発的に動かないわけだが、いい子たちががんばって助けてあげるので、「ああ、よかったね」ということで良書と評価されている。教育界での大先生・灰谷健次郎の初めての絵本ということもあり、評価が高い。
しかし、今の世のなか、助けてくれる人を待つ犬のような感じではいかん。

それに比べれば、まだ左の『どうするどうするあなのなか』の方が時代の気分には合うかもしれない。
『あらしのよるに』は、たまたま狭く暗い空間で共に時間を過ごすことになったオオカミとヤギに友情関係が芽生えるという話だったが、この絵本も「食べる者」と「食べられる者」が限られた空間で過ごすことになるという同じパターンを踏んでいる。
けれども、餌食にする前に、とりあえず皆で知恵を出し合って穴から這い出そうではないか~いと、山猫2匹と野ねずみ3匹が穴の底で案を練るのである。この姿勢が、今、求められるものだろう。
結局、自然現象に助けられて5匹はいつのまにやら穴から外に出ている。なのに、彼らは「どうすればいいんだ」と議論に熱中していて、自分たちが助かったことも、いつのまにか外が夜になっていることにも気づいていない。
同じ他力本願的展開であっても、願うのはこういう幸運であろうか。

教育界で評価された定番に、アイデア豊富な在野の人・木村裕一が挑んだという構図だと私は勝手に解釈をしてみたが、まあ、少しは当たっているのではないかと思っている。
<この項つづく>
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Author:中村びわ
2004年から2011年まで書いてきた
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